(何とかなるさ精神)
私はフィリピンの国家住宅庁という役所で3年間働いていた時、フィリピン全土からその役所の技術者を一同に集めて、 地方で技術セミナーを度々開催していました。
これは、マニラからの大勢の参加者と一緒にボホールという島でセミナーを開催した時の話です。
飛行機がボホールに着いてから、私達は預け荷物のいくつかが、積載荷重の関係で飛行機に積まれなかったことを知らされました。
驚いたのは、離陸の際に何も知らされていないばかりか、それらの荷物がいつ届くのかも分からないということでした。
残された荷物は、セミナーに必要な機材や資料に加え、参加者の着替えも入っている個人のバックも沢山ありました。
運よくセミナーに必要なものは、翌日の便に乗せられ、セミナー自体は少しの変更で切り抜けたのですが、個人のバックは、ほとんどセミナーの4日目最終日になるまで届きませんでした。
特に女性の参加者が4日間、熱帯の国で着替えなしで過ごせるとは思えませんん。
心配する私をよそに、彼らから不平不満の声は聞こえてきません。
みんな 「仕方ない、問題ないよ大丈夫、何とでもなるから(バハラナ バハラナ)」
と意に介しません。
私の理解では「バハラナ」は 「何とかなるから心配ない」という意味ですが、フィリピン滞在中、色んなことを心配する私が、彼らの「バハラナ 中井さん」という言葉に何度気持ちが救われたか知れません。
ボホール島から帰ったあと聞かされたのですが、彼女たちはみんなで着替えを分け合って過ごしていたそうです。
これも、心に大きく残っている出来事です。
フィリピンの素晴らしい文化のひとつだと思います。
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